調査・研究
病院・診療所を「ひらく」調査事業
在宅療養支援診療所などの医療機関が、地域住民の自由に使える「開かれた場」を持つ動きが全国に現れています。福祉と建築は、公益財団法人在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受け、「病院・診療所をひらくことの意味と開き方」を調べる調査事業に取り組みました。
背景ときっかけ
多死社会を迎え、医療・介護のサービスだけで暮らしを支えることには限界があります。「開かれた場」は地域の互助を育てる可能性を持つ一方、収益に直結しない空間への投資に踏み切る法人はまだ少数です。そこで、開かれた場が地域住民と医療の関係に与える影響と、その経営的なインセンティブを、事例に即して明らかにすることを目指しました。
やったこと
「コミュニティ」「居場所づくり」「互助」などをキーワードにした文献レビューと、4つの先進事例(ノビシロハウス亀井野/かがやきロッジ/ソナタリュー/ヨリドコ小野路宿)の図面分析・事前アンケート・現地視察・インタビューを行いました。経営・ケア・地域福祉・空間という4つの視点から、「なぜ・どうやって・どんなインパクトで」開いているのかを記述しています。
みえてきたこと
ひらかれた場の効果は「集患」よりも「採用・定着・学び」といった人材面にはっきり現れること。医療ではなく日常の用事(住まう・食べる・洗う・湯につかる・買う)が入口として効くこと。そして、上手にひらいている場ほど「閉じる場所」を丁寧に設計していること。「どこを開き、どこを閉じるか」の線引きそのものが、開き方の核心でした。
調査の全文は、magazineの記事と調査レポート(PDF)でお読みいただけます。
プロジェクトメンバー
林恭正
建築家
1994年東広島市生まれ。2018年ドレスデン工科大学建築専攻特別派遣研究生を経て新潟大学建築学博士前期課程修了。2019〜2023年横浜の設計事務所 tomito architectureチーフアーキテクト。2024年、建築を軸に歴史・文化・慣習を編集し新たな価値を創造・発見する株式会社ArchTankを設立。「福祉と建築」副代表。
HPこの人が関わるプロジェクト →大谷匠
看護師 / 福祉と建築 代表 / 医療法人医王寺会 理事
看護師。医療法人医王寺会 理事。看護大学卒業後、株式会社シルバーウッドにて、厚生労働省 社会・援護局補助事業 介護のしごと魅力発信等事業の事業責任者・沖縄県八重山郡での訪問看護事業・VRを活用した企業向けDiversity&Inclusion研修等を担当。2022年4月からは、医療法人医王寺会にて医療福祉の複合施設の企画・運営や訪問診療・訪問介護の運営等を行う。
この人が関わるプロジェクト →No image
中川翼
薬剤師 / 保育士 / 福祉と建築 監事
薬剤師免許取得後、一般企業にてリアルワールドデータを活用した疾病リスク予測評価や市販後医薬品の効果評価など製薬企業・アカデミア向けのマーケティング・リサーチ支援に従事。
この人が関わるプロジェクト →No image
西井あずさ
No image
紀伊信之(アドバイザー)