「ケーススタディ・オンライン交流会イベント」イベントレポート
2022年7月9日に福祉と建築が主催のオンライン交流イベントを行いました。ケーススタディの紹介と10組の建築家・福祉事業者によるピッチを実施しました。本記事ではイベントの様子をダイジェストでお届けします。
【概要】
・日時:2022年7月9日(土)15:00〜17:00
・会場:オンライン(ZOOM・Remo等)
1. ケーススタディ「街と福祉建築 -共に歩き、知り、つくる-」
ケーススタディでは、社会福祉法人ライフの学校の理事長である田中伸弥さん、tomito architectureの冨永美保さん、林恭正さんが登壇しました。「街と福祉建築 -共に歩き、知り、つくる-」をテーマに、福祉事業者と建築設計事務所である二組が協働で行ったプロジェクトを振り返りました。
まず田中さんは、ライフの学校について紹介しました。ライフの学校は福祉施設ですが、「いのち」や「暮らし」や「生きる」について学べる地域の学び合いの拠点でもあります。人生の大先輩であるご高齢者から話を聞く「ライフストーリー学」、子どもたちが先生となり、大人たちが学ぶ講座である「チビッ子先生」などさまざまなプログラムが日々行われています。
つづいて、ライフの学校とtomito architectureが協働で行ったプロジェクトについて、冨永さんと林さんが紹介しました。
一つ目に紹介したのは「嫁入りの庭」というプロジェクトです。嫁入りの庭は、ライフの学校の庭を改修した場所で、施設で暮らしている方の家に元々あった家財道具や地域の方から譲られた植物などが配置されています。この地域では約30年前にマイホームを建てた方々が年を重ね、いまでは施設に入居する流れができてきています。そのため、住居が空き家となるケースが出てきており、冨永さんは「施設に入居する際に嫁入り道具のように一緒に家具なども持ってきてもらおう」と考えました。
どのようにものを配置するかは、デザインありきではなく持ち込まれたものをベースに組み合わせが考えられました。林さんは、「デザイン性の強いものにするのではなく、町の文脈や記憶を引き受けていく受け皿のような状態を作りたい」と考え、庭のデザインを行ったとのこと。林さんが現地に寝泊りして一つひとつ計測を行っていたそうです。
続いて紹介したのは、福祉と地域をつなぐ出張所として建設中の「ナミワケ荘」。さまざまな機能が盛り込まれており、2階には法人スタッフの寮、1階には就労支援の事業所や隣接したバス停の待合場所などがあります。3つ目に紹介したプロジェクトは「六郷キャンパス」。いままでの歴史をつくってきた集落に倣って建物の設計を行うプロジェクトです。
ケーススタディの最後の時間には、福祉と建築代表の大谷を交えてのクロストークを行いました。田中さんは「自分のやりたいことの解像度が上がったのが成果だと感じている」と話しました。林さんは、田中さんとのやり取りのなかで、福祉は町との関わり方を考えることそのものだと感じ、「福祉の視点からの街づくりは期待できるし、自分の人生をかけて取り組みたい」と考えるようになったそうです。冨永さんは「最後まで人がその人らしくいられるような場所を作るにはどうしたらいいか」を考えているそうです。
2. 建築家・福祉事業者のピッチ10
ケーススタディの後は、10組の建築家・福祉事業者によるピッチが行われました。登壇者と事例は下記のとおりです。
- sum design/テンジンスタジオ:川和保育園
- TERRAIN architects:TERAKOYA、かしまだ保育園
- 株式会社パトラック:かがやきロッジ、かがやきキャンプ、ほっちのロッヂ
- ハラヒロト建築設計事務所:小規模多機能型居宅介護施設+生活支援クリニック
- 株式会社 飛騨の森でクマは踊る:木材を使用したものづくり
- AMP/PAM(アンパン):住み継ぎプロジェクト ほか
ピッチ終了後はオンラインで懇親会を行い、イベントは無事終了しました。ケーススタディとピッチを通し、福祉事業者と建築家が協働した具体例やさまざまな事例を知るきっかけとなったのではないでしょうか。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
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